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2人と1匹が、一緒に暮らし始めた頃の物語。
当時書かれたものなので、今とは色々違うところも…。


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『世良クンと僕』【1】


2005年1月8日

犬も猫も飼ったことはないけど、僕は正直、犬のほうが好きだ。
だってやっぱり賢いし、言うことを聞くし、役に立つし。
そんな僕が結婚を決めた女性には、小さなコブがついていた。

3歳になるオス猫、世良クン。



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彼女の実家で飼われていた5匹の猫の中で最も幼く、
他の猫たちと折り合いが悪く、人間では彼女にしか懐いていない。
要するに『おねえちゃん命』の甘ったれ猫である。

二人で旅行に出かけたら、実家から
「世良がごはんも食べずにうずくまっている」と連絡があり、
彼女が旅行先から飛んで帰ってしまったのも
今となっては懐かしい思い出だ。



20070403233610.jpg



そんな世良クンだけは結婚しても連れて行きたいと彼女が頼むので、
僕は世良クンと一緒に住める家を借り、3人で暮らす日を楽しみに待っていた。
犬のほうが好きだけれど猫もかわいい。
実家から外には一歩も出たことがないという
怖がりの箱入り息子と仲良くなれるだろうか?


                     つづく



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2人と1匹が、一緒に暮らし始めた頃の物語。
当時書かれたものなので、今とは色々違うところも…。


 これまでのお話→【1】

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いよいよ、おにーちゃんとおねーちゃんと世良、同居の始まり…。


『世良クンと僕』 【2】


2005年1月8日


彼女は実家から東京まで、車に世良クンを乗せてやってきた。
新幹線では鳴きわめいて他の乗客の迷惑になってしまうから。

世良クンは、こんなに長く車に乗ったのは初めてで、
着いた先は見知らぬ家、
さらにワケのわからない人間が一人いるのだから
ずいぶん怖かったのだろう。
昼過ぎに到着してから夜まで、ひっきりなしに鳴き続けた。



20070407225503.jpg



安全な場所を探しているようだが、まだ家具もろくに揃っていない家の中に、
そうそう猫にとって安全な場所などありはしない。
彼女に抱かれている間は少し落ち着いているが、
それでも怖そうに鳴くことをやめない。

あまりにかわいそうなその様子に僕はすっかり同情心をかきたてられ、
「世良クン、大丈夫だよ怖くないよ」となでてやろうとするが、
僕がそばに行くと世良クンはますますパニックを起こし、
彼女には「アナタあんまり近寄らないでちょうだい」と言われた。
し、新婚しょっぱなだというのに…。

まあ「アナタだけ2階で寝てちょうだい」などと言われなかっただけマシか…。



20070407225508.jpg



僕が立ち上がったりしゃべったりすることがとても怖いらしい。
世良クンは『知らない場所』よりも、『見知らぬ動く物体』のほうこそ
怖がっていると彼女が言う。

いやそんなことはないんじゃないかと僕は思った。
車で長旅して知らない家に連れてこられたのだ。
猫は家につくって言うし、パニック気味になるのは当然のことだ。
かまってみたくて近寄ろうとするが大声で鳴いて逃げ回るし、彼女にも怒られた。

そのうち僕は引越し作業の疲れでうたた寝をしてしまった。


                     つづく



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 これまでのお話→【1】【2】

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引越し初日、すごく怖がってる世良と、世良にかまってみたいおにーちゃんでしたが
世良には逃げられまくって…



『世良クンと僕』 【3】


2005年1月8日


そのうち僕は引越し作業の疲れでうたた寝をしてしまった。

ふと目を覚ますと彼女が笑っていた。
なんと僕が眠りこけている間、世良クンは鳴きもせずに、
しゃんとして部屋を探検してまわったというのだ。
あろうことか、僕の頭の匂いを嗅ぐという余裕っぷりだったらしい。

あんなに怖がってたくせに…やるな世良クン!
それじゃあ僕は家の中では常にほふく前進で
筆談をしないといけないのですか!?



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布団に横になってあまりしゃべらない僕なら怖くないらしい。
近寄ってくる世良クンに触れることが嬉しくて、
猫じゃらし(買ってあったのだ)で真夜中に遊んであげた最初の夜。
しかしこれが間違いだった。

僕が起きて動いている間は怖がられる日々が続いたが、
世良クンは夜な夜な猫じゃらしを持ってベッドの頭上を
うろつくようになってしまった。



20070412122546.jpg



猫に起こされる癖をつけないためには、
死んでるかのように断固として眠り続けることが肝心であるという
彼女の教えに従い、ベッドに入ったらとにかくかまわないようにした。
寝てる間しか触れないのに…。


そして起きてる間は逃げられ続けた。


                     つづく



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 これまでのお話→【1】【2】【3】

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引越しから数日経って…


『世良クンと僕』 【4】


2005年1月12日


引越しから2、3日過ぎると、僕が仕事でいない日中は
世良クンはリラックスして家でくつろぐようになったらしい。


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新居の探検をすっかり済ませ、
今までと違ってライバルのいない一人っ子になって、
彼女にベタベタと甘えまくる日々らしい。

でも仕事を終えた僕が帰ってくるとカーテンに隠れたり2階に逃げたり。
そのほかにもしょっちゅう家具屋などが来て家具家電を運び込んでいくため、
そのたびに逃げ回るという落ち着かない日々を送っていたらしい。

すると引っ越して4日後、世良クンは血尿をした。



20070419230622.jpg



トイレの砂が赤くなっていることに気づいた彼女は
泡食って動物病院へ駆け込んだ。
近くにある動物病院は調べてあったけど、
まさかこんなに早く利用することになるとは。

病名は『ストレスによる膀胱炎』。
引越しの移動のときにおしっこを我慢気味だったことも原因らしい。
連日チャイムがなって人があがりこみ、落ち着かない日々だったろう。

それにしても…それにしても、

僕のことがそんなにもストレスだったのですか?

予想通り、家に帰ると
「とにかくもうしばらくは世良にかまわないで」
という彼女のお言葉が待っていた。



20070419230551.jpg



新婚家庭なんだかすでに子持ちなんだか分かりゃしない。

彼女はもちろん、もちろん新妻なんだけど、
ひとたび世良クンが不安げにかわいく鳴くと、
とたんに彼女は声も顔もお母さんモードになってしまう。

そのかわいさだけでも差がついてるのに、
病気にまでなられちゃあかないっこない。

悔しいけど、完敗。


                     つづく



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引越しで膀胱炎になっちゃった世良。病気はすぐに治ったんだけど…?


『世良クンと僕』 【5】


2005年1月15日


世良クンはますます彼女に甘えるようになった。
風邪をひいた小学生みたいなものらしい。

以前は仕事があって、普段は夜しか家にいなかったおねえちゃんが
今や専業主婦となってずっと家にいる。
しかも5匹の中の1匹ではなく、一人っ子で完全独り占め。

夜になると変な人間がやってくるのを除けば(僕が世帯主だ!)
おねえちゃんとラブラブ二人暮し。



20070425215003.jpg



そんな世良クンの気も知らず、初めての週末がやってきた。
平日の朝方、僕が出かける前は世良クンはたいてい2階に避難している。
僕が出かけたのを見計らって彼女にまとわりつくのだそうだ。

その土曜日、2階に逃げてた世良クンはしばらくして彼女に抱かれて降りてきた。
今日もラブラブな一日の始まり、フンフン♪とでも思っていたのだろう。



20070425215653.jpg



ところがどっこい、1階には出かけていない僕がいた。
僕を見るなり真ん丸に見開かれた目ははっきりと、
「お前、まだいたのかよ!!」と言っていた。

そして階段をダダダダッと駆け上がっていった。


…借家なのに、爪あとが心配だ。


                     つづく



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引越し後、最初の週末。おにーちゃんが会社に行かなくて、世良は…?


『世良クンと僕』 【6】


2005年1月16日


まだまだ物が揃っていないので、
土曜日は彼女と二人で一日買い物をしてまわった。
新婚夫婦が二人で出かけて何が悪い。
いつもいつも世良クンに彼女を貸してあげるわけにはいかないのだ。

さて、引越し以来初めて独りぼっちにされた世良クンは、
僕の目で見てもはっきり分かるほどに、すねていた。

まあ、たまにはいいだろう。
ちょっとだけ世良クンに反撃した一日。



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翌日曜日は一日中家にいた。
世良クンは戸惑っているようだった。
前日独りぼっちだったし、おねえちゃんに甘えたい。
なのに今日もこいつはおねえちゃんと一緒にいるらしい。

甘えたい、怖い、甘えたい、怖い…。

とうとう寂しさが勝ったらしく、僕がいるにもかかわらず
世良クンはカーテンから出てきて彼女のひざに乗った。
僕もなでてみる。

世良クンは逃げこそしなかったけれど、僕の方を見てニャーと鳴いた。
彼女に甘える声とは明らかに違う、ちょっと威嚇するような、
まだ認めてないぞ、と訴えてでもいるような。



20070504000844.jpg



じゃあ触らないよ、と彼女と話し始めると、
世良クンは彼女のほうに顔を向けてひざで落ち着いているように見えた。

しかし彼女いわく、耳がまっすぐ僕のほうを向いているらしい。
言われてみればなんだか耳の形が変だ。
ぐいっと後ろ向きに伸びている。器用なもんだ。

つまり僕が急に動いたりしたらすぐに逃げれるように警戒しているわけだ。

一緒に暮らし始めて一週間、
いじめるどころか大声すら出さないように気を使っているというのに。

こんなにおとなしい僕の、一体どこが怖いというのか、失礼な奴め。


                     つづく



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2人と1匹が一緒に初めての週末を過ごした後…


『世良クンと僕』 【7】


2005年1月20日


しかしこの週末以来、
一応僕は『夜いる人』から『同居人』に昇格したらしい。



20070509100805.jpg



抱っこの仕方の手ほどきを彼女から受けつつ、
おっかなびっくり抱くことができるようになった。
世良クンは毎回、ニャーと抗議のような声をあげたが、
逃げ出すことはなかった。

ひざの上に乗せたもののどうしていいか分からず、
僕も世良クンもなんだか不自然な姿勢で固まっていたら
彼女がくるりと世良クンをひっくり返していった。
なるほど、こうすれば落ち着くのか。


なでていると、なんだかバイクの排気音のような音が聞こえてくる。
おお、これがゴロゴロというものか!
僕のひざで世良クンがゴロゴロしてくれた!

油断していたら世良クンはさっと彼女のひざに移ってしまった。
そして、ゴロゴロゴロゴロゴロ…
離れていても聞こえるような盛大な音でゴロゴロしている。ふん。



20070509101157.jpg



面白いことに世良クンは、
誰の手でなでられているかはあまり気にしないらしい。

彼女のひざにいれば落ち着くようで、
なでているのが僕の手でも大満足の様子だ。
彼女はひざに置いているだけで、手は他事をしている。
僕は斜め横の椅子から変な体勢になって世良クンをなでなで。
世良クンは彼女の顔を見上げてゴロゴロゴロゴロ。

なでているのは僕なのに、僕なのに!


                     つづく



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おにーちゃん、やっと『同居人』に昇格しまして…


『世良クンと僕』 【8】


2005年1月23日


それにしても話には聞いていたが、
これほどの甘ったれだとは思わなかった。
普通の猫はひざの上で丸くなって寝たりするものだろうと思う。
世良クンのそれは違う。
いや丸くなって寝ることもするが、べったりするときのそれは違うのだ。


べったりするときの世良クンは上半身を完全に彼女の方に向け、
両手をぺったりしっかりと彼女の胸に当てるのだ。



20070515224559.jpg



猫の身でなんて態度だ。そんなの猫じゃない。

今度から世良クンがあれをしたときは「世良クン俺にも抱かせて」と奪い取ることにしよう。



すっかりくつろいでいても、僕が帰ってくる音と共に
カーテンの後ろに隠れてしまうらしい。

そんな世良クンをおびき出すのには猫じゃらしが有効だ。
これの使い方も、だんだんコツがつかめてきた。
近過ぎず、遠過ぎず、動かし過ぎず。
いかにも取れそうな位置に置いておいて、飛びかかってきたらさっと引く。
タイミングが重要だ。



20070515224809.jpg



それにしても、このタイミングがすごく分かりやすい。
猫はクールで無表情なんてイメージがあったんだけど、
いつ飛びかかってくるか丸分かりだ。


世良クンが特別分かりやすいのか、それとも猫はみんなこうなのか?
こんなんで野生のスズメなんて捕まえたりできるのか?
僕がスズメなら顔を見てれば余裕で逃げれるぞ。



20070515224909.jpg



                     つづく



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なんとか、世良と仲良くなりたいおにーちゃん…


『世良クンと僕』 【9】


2005年1月29日


なんだかんだ言っても世良クンと仲良くしたい。
やっぱりごはんをあげるのが仲良くなる近道だろう。

僕は自慢じゃないが寝起きはかなりいい。
彼女に比べたら雲泥の差だ。
もっとも5匹の猫がエサよこせと攻撃してきても、
ものともせずに眠り続けたなどという武勇伝を持つ
彼女に勝てるものではない。



20070521211419.jpg



そんなわけでのんびり寝ていられる週末の世良クンの朝ごはんは
僕があげることにした。


目覚ましの鳴らない休日の朝、
世良クンは「そろそろ朝じゃないのかよ~」と
ベッドの上を闊歩する。

平然と眠り続ける彼女に「寝てていいよ。俺があげてくるから。」と
言葉をかけて、世良クンには猫なで声を出してみる。

「さあ世良クン、おにいちゃんがごはんをあげるよぉ~。」


…なんだよその嫌そうな顔は。


「ほら、下に行くよ~、おいで~。」

お、ちゃんとついてくるじゃん。
ごはんごはん、さあお食べ~。
ポリポリ、見上げる、ポリポリ、見上げる…。

いや、そんな警戒しなくても何もしないから落ち着いて食べなよ。

ポリポリポリ。

おお~僕があげてもちゃんと食べる!やった!
これで僕のポイントはぐっと上がったはずだ。



20070521211558.jpg



…ポイントが上がったかどうかは分からないが、
少なくとも世良クンにわりと学習能力があることは立証された。
彼は腹が減ったときに起こす相手として、
明確に僕を選ぶようになったのだ。

ていよく利用されてるだけって気がしないでもないが、
まあ友好関係の樹立と言えなくもない、うん。
意外と、賢いんだね、君。


                     つづく



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2人と1匹の生活も、だいぶ慣れてきて…


『世良クンと僕』 【10】


2005年2月10日


彼女がコーヒー党なので、我が家にはコーヒーメーカーがある。
一応、ちゃんと豆が挽けるやつである。



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         最近背が伸びた疑惑のある世良


ところでこの豆を挽く約15秒間って、けっこう大きな音がする。
週末の静かな朝や、夕食の済んだ落ち着いた夜に、
突如鳴り響く、ガガガガガガガガガ!!

これが世良クンは少々気に障るらしい。
テレビの上で気持ち良くまどろんでいたりするのを
起こされてしまうからまあ無理もない。



20070528221106.jpg



ほんと迷惑だよね、怒る気持ちはよく分かるよ、だけどなぜ?


なぜ、豆を挽いてるのは彼女なのに、僕をにらむの??


違うよ、僕じゃない、音を出してるのはおねえちゃんだよ。


「ニャア!」  明らかに僕に文句を言っている。違うよ。


「ほんと悪いおにいちゃんね~、うるさくて。」と彼女が笑う。

ひどい、はめられた!濡れ衣だ!冤罪だ!


以来、豆を挽くたびに、僕が怒られることになった。


                     つづく



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おにーちゃんと世良、すっかりなじんで…?


『世良クンと僕』 【11】


2005年3月10日


暮らし始めて2ヶ月もすると、
世良クンはけっこう僕にも甘えてくるようになった。
しかし世良クンと僕は、二人っきりでいる時間はほとんどない。

彼女は名古屋からお嫁に来て、
こちらには友人も親戚もまったくないため、
彼女だけが出かけて僕が家にいるということがないのである。

だから僕と世良クンの二人っきりの時間は、
彼女がお風呂に入ってる間くらいのものだ。
世良クン、風呂あがりは僕にもよく甘えてくる。



20070604230245.jpg



それにしても、甘えてくる猫ってかわいい。
ごろごろ、すりすり…僕を見上げるその目はなんてかわいいんだろう。

今まで外でしか猫を見たことがなくて、
猫って何を考えてるのか分からない、冷めた目の印象しかなかった。
でも寝てる姿はかわいいよね、なんて思ってたんだけど
そんなものじゃない。

たしかに猫の寝姿はとてもかわいくてなごむけど、
僕を見る世良クンの目や顔つきが、ぜんぜん変わってきて、
すごくかわいい。



20070605000509.jpg



「猫のほうも好きな人を見る目は特別ですごくかわいいよ。
だから飼い主はみんな、『うちの子が一番』になるの。」とは
彼女の名言だけど、
僕にもその意味が今はっきりと分かってきた。

最初の頃は「なんだよこいつ」という目だったのに、
今はその目に愛情がこもっている。
なんてかわいいんだ…と感動していたら、彼女が風呂からあがってきた。

あら…すぐ行っちゃうの?
もう彼女にべったりこだ。

「今すごく世良クン俺に甘えてたんだよ、ほんとにかわいい目をして…」

あ、あれ…?その目が急に冷たくなった?



20070605001613.jpg



(僕がお前に甘えてたなんて、余計なことおねえちゃんに言うなよ~)
という目である。

「ほんとにかわいかったんだよ、もうごろごろすりすり…」

(うるさいな~。僕はおねえちゃん一筋だぞ~)

もうその目には一かけらの愛情も感じられない。
なんて見事な変わり身なんだ…。

とても僕には真似できない。


                     つづく



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猫について、まだ知らないことの多いおにーちゃんです。


『世良クンと僕』 【12】


2005年3月14日


ホワイトデーである。
バレンタインにチョコレートケーキを焼いてもらったお礼に、
僕はバラの花束を贈ってみた。

彼女はことのほか喜んでくれたが、
喜んだのは彼女だけではなかった。
豚に真珠という言葉があるが、猫に花束とは言えない。
世良クンも、花が好きなのだ。



20070328225834.jpg



そもそもすごくびっくりしたのだが、猫は草を食べるのだ。
牛じゃあるまいし、肉食獣の猫が草を食べるとは知らなかった。

でも草を消化して栄養にできるわけじゃなくて、
自分の毛をなめてしまって胃の中にできる毛玉を吐き出すため、
その刺激のために草を食べるらしい。

世良クンの場合はなんとなくサラダ代わりに
趣味で食べてるように見えるけど。



20070611221535.jpg



ともかく我が家の観葉植物を守るため、
「猫草」なるものが玄関に置かれている。
観葉植物を狙う世良クンを玄関に放り出すバトルは
とりあえず置いといて、花束である。

麗しく花瓶に生けられたお花に、世良クンは興味シンシンだ。
鼻を突っ込んで匂いをかいでいる。
今にも食いつきそうだ。

「ダメよ!」「ダメだよ!」二人から同時ツッコミが入る。
世良クンは夢中だ。
まるで急に耳が遠くなったか、
人間語は難しくて僕分かりませ~んという感じだ。

たしかに猫だから、人間の言葉が理解できなくても
不思議じゃないけど。

いよいよ危うく見えて、僕は腰を浮かして止めに行こうとする。
と、僕が立ち上がった途端、世良クンはさっと花から離れた。

僕は花になんてぜんぜん興味ないですよ、いやだなあ。
なんともしらばっくれた様子だ。

つまり急に耳が遠くなったわけでも、
僕ニホンゴワカリマセ~ンなわけでもない。

言われてることは重々承知の上で、無邪気を装っている。
とりあえず興味を失ったかのように世良クンは振舞っていた。


さてそろそろ寝ようかという時間、
彼女がしげしげと花を見つめて言った。

「このままここに置いておいても安全かどうか悩んでいます。」

「大丈夫じゃないほうに一票。」

「…二票入りましたので避難させま~す。」

かくして寝てる間や出かけてる間など、
人の目が届かない時間にはいちいち
麗しい花束は隠され、人がいる時間にまた取り出されることになった。

結論としては、華道をたしなむ人は、猫は飼わないほうがいい。


                     つづく



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だんだんと仕事が忙しい時期に入ったおにーちゃん…


『世良クンと僕』 【13】


2005年3月25日


水、木、金と目いっぱい残業になった。
一日中パソコンを扱う仕事なのでかなり肩こりがひどい。

苦しんでいると彼女が肩をもんでくれた。
彼女の肩もみはけっこう上手だと思う。

しかし本人いわく「握力がない」とのことで、持続力がない。
どのくらいかと言うと、1分も続いてはくれない。
握力の有無よりも根性の問題じゃないかと思うが、そこは黙っている。



20070618214826.jpg

             やらせにあらず。


お返しに肩をもんであげようとしたが、
彼女は生まれてこのかた肩がこったことがないという
羨ましい体質で、くすがったがるばかりである。

頭のマッサージなら大丈夫のようなので、
ツボを押しながらマッサージをしてあげた。



20070618215246.jpg



ふと、いつもどおり彼女のひざでくつろぐ世良クンが目に入った。

…猫にもツボってあるのだろうか?

ためしに額のあたりを押してみる。

ん~~~。
世良クンはなんだか気持ちよさそうに目を閉じて浸っている。

効いてる??

後頭部やら耳の付け根やら、いろいろ試してみる。
目を開いたり、頭をぷいっと振って動いちゃう場所は
いやな感じらしい。

体のほうも背骨の辺りや横腹のほうやらあちこち押してみる。
だんだんいやになったらしく、
世良クンはとうとうひざから降りてしまった。


そして、おもむろに残りごはんを勢いよく食べ始めた。
食欲増進のツボでも押しちゃったんだろうか…?

太ったらごめんよ。


                     つづく



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冬に暮らし始めた2人と1匹、そろそろ春です。


『世良クンと僕』 【14】


2005年4月3日


すっかり暖かくなってきたら、
なぜか彼女がにわか園芸家になってしまった。



20070625220219.jpg



もともと園芸に興味があったとは聞いたこともないのだが。
どちらかと言うと水やりを忘れて
枯らしてしまったりするタイプらしいのだが。

そんな彼女が、室内の観葉植物だけでは飽き足らず、
庭と呼ぶにはおこがましい我が家の庭(花を植える場所はあるという程度)を
お花でいっぱいにしようという野望に燃えている。

やはり専業主婦になって時間があるし、
実家と違って自分のお城という感覚なのだろうか。


しかし発芽を始めたばかりのスイートピーに1日5回も張り付いて、
「種の殻をむいてしまいたい!」などと騒いでいる彼女は(僕が止めた)
やはり園芸家には向いていないように思う。



20070625215805.jpg

      今年は摘んで飾れるほど見事に咲きました。
      この年どうだったのかは聞かないでください。



家の中や外を綺麗にしてくれることは僕は大歓迎だからいいのだが、
家の中には世良クンがいる。

そして将来は外に植えるつもりの花も、
最初のうちは室内で育てなければならなかったりするらしい。

彼女の初挑戦のスイートピーは、見事に全部の種から発芽した。
なんでも小苗まで育ったら植え替えの時期らしい。

彼女は、小苗とはどのような状態のことなのか、
たとえば何センチくらいとか何週間くらいとか、
説明書きが少なすぎると怒っていた。

しかし素人判断でも、
双葉もひらいてないような状態はまだ小苗ではないと思われた。

そして双葉のひらいていない発芽したばかりのスイートピーは、
世良クンが食べるための猫草と非常に似ていたと認めざるを得ない。

当然の帰結として発芽から1週間も経っていないスイートピーは
彼女のガードをかいくぐって一瞬の隙をついた世良クンによって、
災難に見舞われることとなった。



20070625220714.jpg



そして緊急避難的に、小苗には程遠い状態で外に植え替えられた。
まだ寒い日もあるのにかわいそうに。
でも室内のほうが安全じゃないから仕方ない。

無事育ってくれるのか、神のみぞ知る。


                     つづく



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おにーちゃん、だんだんお仕事忙しい時期になってきました…


『世良クンと僕』 【15】


2005年4月8日


残業のあげく、線路に酔っ払いが入ったためなどという
ダイヤの乱れに巻き込まれ、1時間以上も待たされた。


やっと家に到着すると見事な午前様。
起きて待っていてくれた彼女と共に、
ようやく就寝したのは3時頃だったろうか。



20070703214451.jpg

            この子は寝ながら待ってた。


幸いにも翌日は土曜であった。
でも昼まで寝ていられる…というわけにはいかず、
9時過ぎに騒ぎまくる世良クンに起こされた。

僕も彼女もその日はなんとなく目が冴えてしまい、
どうにも睡眠不足な一日を過ごすことになった。

いつもなら7時にごはんがもらえるところを
9時過ぎまで待ってくれるのだから、
世良クンはかなりいい猫なのだろう。
彼女の実家の猫たちのように、朝の4時から大騒ぎする猫もけっこう多いと聞く。

それに比べれば、あまり食に執着のない世良クンはずいぶんおとなしいのだ。
仔猫の頃からさほど食べることに執着しなかったそうで、
そのせいなのだろう、世良クンはオス猫にしてはかなり小さい。



20070528221217.jpg

     当時はほんとに、小さい子だったんです。今じゃこんなだけど。


なかなかごはんをもらえなくてお腹のすいた世良クンを責めるのは酷というものだ。

そう分かってはいてもやはり、いやみの一つは言いたくなって、
彼女と二人して、「世良が起こすから~~~眠たい~~~」と責めてしまった。


すると翌日、世良クンが静かだった。
なんと11時、僕たちはやっと起きたのだが、
世良クンはニャンとも鳴かずにひたすら待っていたのだ。

普段なら人が眠りから覚めた気配がすると、
ニャンニャンと枕の周りを歩く世良クンが、
僕らがあくびをしはじめてもなお、一声も発しない。

でも部屋に置いてある爪とぎをバリバリと使い始めたりして、
ちょっとアピールはしてるらしい。


少し文句を言ったらひたすら静かにして人を寝かせてくれるなんて、
自分がお腹すいたのに我慢してくれるなんて、
なんていい子なんだろう。

すっかり感激した彼女は世良クンを褒めちぎってごはんをあげ、
ついでに朝から散々なでて遊んで、かわいがってあげたらしい。


世良クンの行動を見てるとけっこうあんぽんに見えるんだけど、
ずいぶんと人間の言葉が理解できるようで、ちょっと感心する。
僕も少しは猫語が分かるようになってきたけど、
世良クンの人間語の理解力には遠く及ばないのではないだろうか。

負けられない。


                     つづく



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おにーちゃん、ちょっとずつ立場が上がってきました??


『世良クンと僕』 【16】


2005年4月10日


最近僕は世良クンの『同居人』から『遊び相手』に昇格した。
もちろん僕がよく遊んであげるからである。

彼女はもともと、あんまり遊んではあげないらしい。
実家には猫がたくさんいたため、人が遊んであげなくても
猫どうし追いかけっこをしたりして体力を発散していたので、
仔猫の頃は遊んだが大人猫になってからは滅多に遊んでないという。



20070709221021.jpg



その点僕はもう、遊ぶ気満々である。
最初に買ってあげた猫じゃらしが壊れたと見るや、
新しい猫おもちゃを買ってきた。
プラスチックの釣りざおからゴムが伸びて、
先にネズミ君がついているやつだ。

これが世良クンに大ヒット。
ネズミ君をすごい勢いで追い回している。
人間のほうは釣りざおをぶんぶん振り回すだけで疲れないのも嬉しい。
ヒモを引きずりながらの階段5往復とかはこっちがばててしまう。



20070709221131.jpg



それにしてもこんなに遊んであげているのに、
甘えるのは彼女のほうになのだ。

僕には「遊んでー」とせがみ、彼女のひざでごろり。
でも彼女がいない時は、僕にも甘えてくれるのさ。


世良クンはなでているとだんだん興奮してくるらしい。
軽く噛まれることがある。
これはいわゆる甘噛みというやつだと思う。そんなに痛くないし。
愛情表現の一つらしいのでなんだか嬉しい。

そのうちもっと興奮してきて、
僕の手に向かって後ろ足で蹴りをかましてくる。
これはちょっと痛かった。軽くミミズ腫れになったほどだ。



20070709220300.jpg



「ダメだよ!」と世良クンを叱ると、
「ニャウン…」しゅーんとなって
かわいい様子で反省していた。

そのかわいさに負けて、もう一度なでてあげた。


そうやって僕たちが仲良くしていると、彼女が部屋に入ってきて、
世良クンはさっと僕から離れた。


…僕に甘えているところをおねえちゃんに見られるのが
そんなに嫌なのかい君は。


見てもらえないから口で説明するしかない。
僕は彼女に、世良クンがどのように僕に甘えてくるかを話した。


すると…


みか「へえ~、私にはそういうことしないなあ~」


え、そうなの?そういえば見たことない…。


「うん、仔猫の頃はみんなやんちゃだから
噛んだり蹴ったりするけど、
大人になってからは世良は全然ないよ。」



え~っと、実家のお父さんお母さんには?


「ないない。世良はその点しっかりしつけたの。
人にはぜったい攻撃しないよ。」




…僕は人間じゃないのですか?
 


「猫同士ではよくやってたけどね~。
ケンカ弱いくせにいつもお兄ちゃん猫に噛みついて。」



世良クン…僕は君のなんですか?

『おねえちゃんが拾ってきた新しいペット』ですか?!


                     つづく



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おにーちゃんの見果てぬ夢とは…?


『世良クンと僕』 【17】


2005年4月15日


世良クンをさわる、なでる、など、
数々の野望を少しずつ達成してきた僕にも、
いまだ成しえない目標がある。

それは、『世良クンを挟んで川の字になって寝る』。
世良クンは基本的に人がいる部屋に一緒にいるので、
(と言うか彼女についてまわるので)
寝るときは寝室に来て、ベッドの中に入る。

それが決まって、彼女の向こう側なのだ。
僕の側に来いとは言わない。
でもせめて、二人の間に挟まってくれてもいいじゃないか。



20070716023443.jpg



世良クンが「入れてー」と枕元にやってくると、
彼女は僕に話しかけるよりもずっと甘い声で「はぁい。どうぞ♪」と
布団を持ち上げて世良クンを入れてあげる。

僕も負けじと、入って欲しい場所の布団を
彼女よりも高々と持ち上げるのだが、
選んでもらえたことは一度もない。



20070716023717.jpg



悔しかったので、とうとう僕は実力行使に出た。
彼女の方に「入れてー」とやってきた世良クンを途中誘拐したのだ。

抱きかかえて布団の中に連れ去り、脇の間にぴったりフィットさせる。
もう片方の手で上から押さえつけ、世良クンに身動きもさせない。
彼女に苦笑されようとかまうものか。

普通の猫はおそらくこんな風に無理強いすると、
必死で引っかいたり噛んだりして脱出を試みると思われる。
そこらへん世良クンはよくしつけられていると言うか
おとなしいと言うか非常に我慢強く、
多少嫌でもつきあってあげなければいけない場合もあると思っているようだ。
爪切りなどもおとなしくさせてくれる優等生である。


僕の脇でおとなしくなった世良クンは、
諦めて眠ったように見えた。
僕も気を許してうとうと始めると、
世良クンはもぞもぞと脱出を試み始めた。

はっと気づいて押さえつけると諦めておとなしくなる。
そんなことを3回くらい繰り返していた。
彼女に呆れられようとかまうものか。


しかし僕の眠気が最高潮になった頃、
世良クンは何度目かの挑戦で見事脱出に成功した。
そしてもう中には入らず、布団の上で寝ることを選んだ。

世良クンはよく布団の上でも寝ているが、
その場合はなぜか必ず僕の上を選ぶ。
重いだけなので、どうも慕われているという感じはしない。
僕の方が体温が高くて温かいからだろうか。


それとも、単に意地悪なのだろうか。


                     つづく



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おにーちゃんとおねーちゃん、いよいよ…?!


『世良クンと僕』 【18】


~~新婚旅行編~~


入籍は済んでいたが、
春になっていよいよ僕たちは
挙式と新婚旅行にグァムへ5日間出かけることになった。

この旅行に関して僕たちが一番最初に検討しなければならなかったのは、
パスポートの手配でも結婚式の内容でもなく、
世良クンをどのようにすればよいか、ということだった。



20070723214815.jpg



2日間くらいならごはんと水を大量に用意しておけば
大丈夫かもしれないが、
5日間となるとそうもいかない。

簡単なのは、獣医さんやペットショップに預けるサービスを利用することらしい。

しかし、お客さんが来ただけで2階に駆け上がって
ベッドの中にこんもりと隠れて出てこないような臆病猫である。

よそに預けたりしたらごはんも食べず、
眠りもせずに鳴き(泣き)続けるに違いないという
彼女の意見は十分な説得力があった。



20070723215125.jpg



それよりは、急病やケガなどのアクシデントは怖いけれど
家に置いていくほうが、まだしも世良クンは安心だろうということになり、
僕の妹に2日ほど様子見をしてもらうということでまとまった。


妹に頼んだのはごはんの補給と水の取替え、植物の水やり、
それから世良クンの生存確認である。

病気になっていたり、なにかの拍子に家具が倒れて挟まっていたり、
なぜか洗濯機にはまったりしていないか、
チェックしてもらわなければならない。


彼女は世良クンのために丼いっぱいのごはんと、
洗面器たっぷりの水を用意した。

僕は少しでも世良クンの慰めになればと、
おもちゃのネズミ君5匹セットを買ってきた。


心配である。

世良クンにとっては人生初めての独りぼっちなのだ。
実家ではたとえ人間が全員出かけても、仲は悪いけど猫仲間がいた。


もともと彼女が出かけただけで、落ち込んでごはんを食べないような猫なのだ。
独りぼっちで知らない人が様子見に来るだけの5日間、
ほんとに大丈夫だろうか?


                     つづく



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世良にお留守番をしてもらって、旅行へ出発…


『世良クンと僕』 【19】


~~新婚旅行・後編~~


ともあれ心配しながらも僕たちは世良クンに別れを告げ、
機上の人となった。

彼女は『郷に入ってもゴーイングマイウェイ』という新格言を作り、
教会での誓いの言葉以外はすべて日本語と笑顔だけで通していた。
まあグァムだからおおむね通じるんだけども。



20070801101652.jpg



英会話は僕が一手に引き受けたのだけど、
現地チャモロ系の人の英語は
少々聞き取りづらかった。

僕の顔はあまり焼けすぎるとチャモロ人に同化してしまいそうなので、
ほどほどで帰国した。


さて成田に到着してすぐ、妹に電話で確認する。
2日目に山盛りだったごはんが、
4日目に行ったときには空っぽになっていたそうだ。

2日間で丼いっぱいを空にするというのは
普段の世良クンの食欲からは考えられない食べっぷりである。

ということはおそらく、
最初の2日間は落ち込んでほとんど食べずに過ごし、
さすがにお腹のすいた反動が次の2日間に来たのだろう。


一応元気そうなので安心して帰宅すると、
世良クンは半分パニック状態になっていた。

寂しかったのに加え、
何度か帰ってきたかと思えば違う人だったので警戒しているらしい。

ちょっとやせて毛艶の悪くなった世良クンは、
すぐ彼女を、じきに僕を認識し、
混乱と安堵が入り混じったような表情でひたすら彼女に張りついていた。

そして旅行から帰るといつもされるという、
「どこ行ってたんだよう」という甘噛みをしていた。

僕はされなかった。
その代わりずいぶんと不満げな声で訴えられた。

きっと僕のせいでおねえちゃんがいなくなると思ってるんだろう。
まあそうなんだけど。


5日間の世良クンがどのように過ごしていたかについては
目撃証言が一つあった。

お向かいさんによると、
世良クンはじっと窓に張りついて外を見つめており、
「早く帰ってこないかな…」と忠犬ハチ公よろしく待っていたそうで、涙を誘ったらしい。

物的証拠も少しあった。
僕が買ってあげたネズミ君5匹のうち、
3匹が見る影もなく破壊されていたのである。
どんなことが起こっていたか想像するにあまりある。



20070801100914.jpg


20070801101020.jpg


20070801101119.jpg



とにかく5日間彼女を独り占めにした僕は、
その後数日、世良クンに彼女を取られ続けることになった。


                     つづく



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世良のお気に入りの場所は…?


『世良クンと僕』 【20】


2005年初夏


最近、椅子が足りない。


もともと我が家ではテーブルの椅子を2つしか出していない。
二人暮しなのでお客さんが来るとき以外はしまいこんでいるのだ。
なぜそれで椅子が足りないかと言うと、
1匹分の勘定を忘れていたためだ。

要するに最近の世良クンは、僕の椅子を指定席にしているのである。
彼女が言うには、すっかり暖かくなってきたので
ひざの上やテレビの上だと暑いことが多くなり、
椅子を選ぶようになったのだろうと。

なにもわざわざ椅子じゃなくても、床でも、
僕が買ってあげた世良クン用のベッドでもいいと思うのですが?



20070806231302.jpg

           今は世良用の椅子が出してあります。


今日も仕事を終えて帰ると、世良クンは僕の椅子でくつろいでいる。
その姿には、僕が帰ってくるとカーテンに隠れていた、以前の面影はない。

世良クン、僕は今からごはんを食べるんだけど、どいてくれない?

「ニャア~」返事はするが、どく気配はない。



20070806231545.jpg



僕は今まで、犬は猫と違って人の命令を理解するから賢い、とか思っていた。
でもその解釈はちょっと間違っていたみたいだ。

世良クンの態度を見る限り、
言われていることは十分に理解しているとしか思えない。

猫は、命令を理解しても従わないだけなんだね…。


何度か頼んでみたが一向に降りる気配はなく、
わざわざくつろぎ直す世良クン。
「降ろせばいいでしょ」と彼女が言う。


そうだ、僕が飼い主で奴はペットだ。
僕の椅子に座るのになにを遠慮することがあるものか。
意志を固めた僕は世良クンをそっと降ろし…


「ごめんねごめんね」と3回謝った。


                     つづく



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おにーちゃんの回想…


『世良クンと僕』 【21】


2005年初夏


家へ来た頃の世良クンはかなりかわいい鳴き声だったのに、
最近の世良クンはどうも押し付けがましく低い声で鳴くようになった。

もともと世良クンの鳴き声は、彼女の折り紙つきだった。
彼女の実家で群を抜く可愛さを誇っていた紅一点のフランちゃんに、
顔ではかなわないが鳴き声では張り合える、唯一の猫だったという。


そんな世良クンがなぜか我が家へ来て3ヶ月で、
なんともかわいくない鳴き声になってしまった。

一人っ子になった余裕か、お手本となるフランちゃんがいないからか。



20070813223221.jpg

     おにーちゃんとの関係があまり良くなかったから、かも


なんだかわがままさも増してきたようだ。


ちなみに世良クンはフランちゃんにはたいそう嫌われており、
この小さなお姉ちゃん猫に散々いじめられていたらしい。
ケンカの弱さも折り紙つきの世良クンである。



20070813223637.jpg

                 今は平和な子


こう書いていたら、
フランちゃんがいかに可愛かったかを思い出してしまった。

僕は彼女の実家に2回ご挨拶に行っているので、
猫たちを全員見たことがある。

彼女がかねて自慢していたとおり、
なかなかの美猫揃いであったが、
中でも一番可愛いフランちゃんの、
特別に可愛い顔と声を僕は体験してしまったのだ。


お客さんの僕がなぜそんなに可愛い様子を見れたかというと、
たまたま僕が普段お父さんの座っている席についたことが原因だった。

それまでは近寄ると逃げていたフランちゃんが、
なにを勘違いしたのか夕食の時間になると、
僕のひざに乗ってきたのだ。

普段はお父さんのひざに乗って愛くるしくおねだりし、
刺身をゲットする斬り込み隊長を務めるというフランちゃん。

お父さんの席に座っている僕のひざに乗って、
すごく大きな瞳をうるうるさせて僕を見上げて一声鳴いたのだ。


その可愛い声はとても表現しきれない。
高く、甘く、ハートマークが3つくらいついているような感じだった。


もしあの時、僕に刺身をあげる権利があったなら、
いくらでもあげてしまいたかった。

たとえ猫が苦手な人でも、
あの時のフランちゃんには逆らえないと断言できる。


そして、食卓から刺身がなくなると
あっさりと行ってしまったフランちゃんだった。


じろりと一瞥しただけで、
世良クンをびびらせている様子も目撃してしまった。


女の子って怖い。


                     つづく


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おにーちゃんの仕事帰りの日課…


『世良クンと僕』 【22】


2005年初夏


仕事が終わると家に電話をかけ、
今から帰る旨を伝えることにしている。

その日はずいぶんと遅くなった。



20070820223546.jpg

         当時、おにーちゃんが遅いほどご機嫌だった子


もしもし~今から帰るよ~。

「遅くまでお疲れ様~。大丈夫~?」

うん。家に着くのは1時過ぎかな。じゃあ今から電車に乗るから…


「そんなことをしていいと
誰が言ったっっっっ!!!」



ひええ??


「えぇ?!
そんなことしていいと誰が言ったんだ!!!!」



す、すごい怒号。

思わずごめんなさいと謝りそうだったが、
彼女の声は電話にではなく、
テーブルに飛び乗った世良クンに向けられたものだった。



20070820223741.jpg

             参考記事はコチラ


彼女は決して体罰はしないし、
世良クンはかなりいい子だから怒られることもそんなにないが、
たまに怒るときの彼女の迫力たるや凄まじく、
僕には到底マネできない。


怒るときはすごく怖いが、普段はメチャクチャ甘やかして溺愛。
もし僕たちに子供が出来たら、やっぱり同じように子育てをするんだろうな…。
世良クンみたいな甘ったれの怖がりに育ったらどうしよう。


                     つづく


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まだ、世良のごはんが病院の療法食だったころ…


『世良クンと僕』 【23】


2005年初夏


夕食にししゃもが出た。大好きである。
世良クンも大好きで、頭やしっぽをよくもらっていたらしい。

でも、今は食べれない。


世良クンは去年お腹に石ができる病気にかかり、死にかけた。
なんとか完治したものの、再発の可能性が高いということで、
再発防止のために病院でもらうカリカリしか食べてはいけないのである。

だから以前はマグロのお刺身とか、いろいろな缶詰とか食べていたのに、
今はもらえない。



20070828000250.jpg

           今は手作りごはん♪


そんなかわいそうな世良クンに、僕は意地悪をしてしまった。
見せびらかしながらししゃもを食ったのである。

速攻彼女に怒られた。


その夜、いつも一緒に寝る世良クンが2階に上がってこなかった。
いじけちゃったのかな…やっぱり悪いことしちゃった…
などと思いながら眠りについた。


次の朝、1階に降りていった彼女の悲鳴が聞こえてきた。
あわてて見に行ってみると、部屋中にゴミが散乱していた。

世良クンは生ゴミを漁ってししゃもの尻尾を発見し、
ししゃもが入っていたプラスチックのパックを
バラバラの破片になるまで食いちぎったらしい。



20070828000550.jpg

         本猫は知らぬふりをしていた


ごめん世良クン…僕が悪かったよ…。


それにしても僕らが部屋にいたり、
ちょっと席をはずしたりしてたときには
まったくそんなことをする様子を見せなかったのに、
人が寝静まってから破壊活動を行うとは…。


ほんとに意外と、なかなか賢い。


                     つづく


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おにーちゃんと世良、朝の攻防


『世良クンと僕』 【24】


2005年初夏


よほどお腹がすいていたのか、
珍しいことに6時前から世良クンが騒ぎ、
僕らを起こそうと躍起になった。

ターゲットは主に僕だったようで、まぶたをざらりとなめられた。
猫の舌でなめられるのって、かなり痛いのである。
ましてまぶたのような弱い皮膚は…。

彼女にはそんなことをしないらしいのに、なぜ僕にはするんだろう。



20070903232932.jpg

        今はたいてい目覚ましが鳴るまで寝てる子


がんばって無視していると、今度は彼女のほうに向かい、
飛び乗った直後に布団からはたき落されていた。

やはりおねえちゃんを起こすのは無理だと思ったのか、
また僕のほうに向かって耳元で鳴き喚き始めた。


このままじゃとても眠れないと思った僕は
解決法を考えなくてはならなかった。

ごはんをあげるのは簡単なことだが、
ひとたびそれを許せばますますこんなことが増える。

しかし彼女のように無意識状態で猫を撃退する技は持っていない。



20070903233854.jpg

        おにーちゃんに慣れてワガママになり始めの頃


悩んだ僕はとりあえず起き出し、
ごはんをあげるような顔で階下に降りた。

喜び勇んでてってけてーと階段を駆け降りて
部屋に入った世良クンを確認し、
急に用事を思い出したような顔でドアをピシャリと閉め、
また寝室に戻った。


しばらくの間、「うそつきー!」「だましたなー!」と鳴き喚く声が聞こえたが、
じき諦めたようで静かになった。


ここらへんの諦めの良さが世良クンの実にいいところである。

彼女が言うには、しつこい猫はいつまででも鳴き続けるし、
腹黒い猫は仕返しに悪さをするし、
根性と腕力のある猫は重い引き戸も平気で開けてしまうという。

世良クンは素直でおとなしく、根性も腕力もないのだ。


7時過ぎにやっとごはんがもらえた世良クン。
閉じ込めたから怒ってるかなーと思ったがそういう素振りはなく、
僕に対してやたらと可愛く甘え、媚を売るようになった。

こうやっておけばもう閉じ込められたりしないと思っているのだろうか。


たしかに…根性も腕力もない世良クンの唯一の武器は、
この『可愛さ』と、それを自覚している『頭の良さ』かもしれない。


                     つづく


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おにーちゃんなら起こせそう?世良に1票クリック!

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早朝起こしに来る世良を、1階に閉じ込めることにしたおにーちゃんですが…?


『世良クンと僕』 【25】


2005年初夏


その後も6時ごろ起こしに来る世良クンを
閉じ込めることが時々あったが、
ある日僕らは二人して目覚ましを止めてまた寝てしまった。


これはヤバイ!にいちゃん会社遅刻するぞ!と
世良クンが考えたかどうか定かではないが、
目覚ましから15分後、
世良クンは根性を発揮して戸を引き開けたらしく、
「ニャーーー!」と叫びながら寝室に飛び込んできた。



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おかげで遅刻しなくて済んだ。ありがと、礼を言うよ。



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そんな、一つ貸しだぜにいちゃん、みたいな顔するなよ。


                     つづく


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おにーちゃんの恥ずかしい言葉使い?


『世良クンと僕』 【26】


2005年初夏


結婚生活が始まって以来、
親兄弟や友人には聞かせられないような
言葉使いをすることが時々ある。

それは彼女とのらぶらぶトークなどではなく、
世良クンに話しかける言葉である。



20070918000527.jpg



しかし言い訳するわけじゃないが、
これは必要に迫られてのことだったのだ。


そもそも彼女が世良クンにしゃべる言葉というのがこれがもう、
猫語と赤ちゃん言葉が混じったようなすごいものなのだ。

「ん~?にゃあに?どうしたんでちゅか、しぇら~?(はぁと)」
なんておっしゃる。



20070918000635.jpg



…引越ししたての世良クンは尋常でなく僕のことを怖がっていた。
僕は、そんな世良クンの恐怖を少しでも和らげてあげたかったのだ。

そして早く仲良くなりたかった。


というわけで、
僕は彼女の言葉使いをできるだけ真似して
世良クンに話しかけるようになったのだ。

ん?どうしたんでちゅ… …いやもうこれ以上は書けない。


                     つづく


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妻の言葉遣いを真似して世良に話しかけるおにーちゃんですが


『世良クンと僕』 【27】


2005年初夏


そういえば真似していることは他にもある。


彼女はよく、世良クンの顔にチュ♪とする。
(「愛してる♪」などと言いながら!)



20070925001218.jpg



僕も真似してやってみるのである。ちゅ♪



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僕にされると世良クンは必ず、「にゃあ゛~」と鳴く。


「男からのチューなんかいらねーよ」



…ニャウリンガルがなくても、この翻訳はまず間違いない。


                     つづく


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とある、裁判の物語…


『世良クンと僕』 【28】


2005年初夏


日を追うごとにわがままになってくる世良クンが、
最近とんでもない暴挙に出てくる。

朝の4時に起こしに来たりするのだ。
しかもごはんは残っていたりするのだから、
お腹がすいたからでもないのだ。

単に退屈だから、人間起こしちゃえって感じである。



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腹が減ったわけでもないのに起こしに来るんじゃあ、
余計タチが悪いじゃないか!
お前と違って僕は昼間は寝ていないんだっ!


僕の仕事は忙しいときには残業帰りが午前様である。
そんな日々が続く中、朝の4時に起こされたんじゃ
(閉じ込めてまた寝るけど)
たまらない!


2日連続の暴挙を受け、我が家では緊急裁判が開かれた。

彼女のひざを被告席にして、被告は世良クン。
弁護人が彼女。検察も兼ねて、裁判長が僕。

検察が裁判長を兼ねるんじゃあ裁判にならないと思われるかもしれないが、
彼女のほうが力が強いからこのくらいでちょうどいいのである。

しかしさしもの彼女も、
働いてる夫の睡眠時間を削る行為はあまり強気でかばえない。

今にも「今夜から1階に閉じ込め。一人で寝なさい。」の判決が出ようとしていた。


弁護人は必死で被告に反省の弁を促した。
被告は彼女のひざでゴロゴロと甘えながら、にゃあ~んと鳴いた。

どこをどう見ても反省しているようには見えなかった。

が、僕もちょっと甘い。


結局判決は
「執行猶予1回。今度またやったら以後は一人で寝なさい。」となった。

その日、彼女は何度も世良クンに言い聞かせていたらしいが、
どうせまた4時に起こしに来るだろうと、
僕も彼女もほぼ確信していた。


ところが!翌日世良クンは7時に起こしに来たのだ。
(目覚ましは7時半)

裁判の内容が分かっていたのか?
そもそも時計が読めるのか??
と言うかそんなに賢いなら
最初から4時に起こしに来たりするな!




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複雑な思いで感心していると、すかさず弁護人が控訴してきた。
「裁判長!被告は大変反省しています。執行猶予を2回に増やしてください!」

う、う~ん…じゃあ明日またちゃんと出来たら2回にしよう。

翌日、見事世良クンは7時過ぎに騒ぎ始め、執行猶予は2回になった。
なんとも駆け引き上手な弁護人と、弁護人には素直な被告である。
まあ僕としては朝ゆっくり寝かしてくれるなら文句ないんだけど。


なんだか非常に不満のこもった声で、世良クンが僕を見て鳴くようになった。
完全に逆恨みが入った鳴き声である。


だったらお前が金稼いでこいっ。


                     つづく


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裁判も終わり、ぐーたら寝れるようになったおにーちゃん


『世良クンと僕』 【29】


2005年夏


僕は目覚ましが鳴った後、
布団でごろごろしているのが好きである。



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        イメージ写真1


普段は彼女のほうが先に起きて、朝食の準備などしている。


いつまでもごろごろしていると、彼女が起こしに来る。

仕事で疲れきっている時などは優しく起こしてくれるが、
「早く寝なさ~い。」と言われているのに
ついついゲームで夜更かししていた翌朝などは…。



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        イメージ写真2


彼女はネズミ君おもちゃを杖代わりに持って、
世良クンを率いて寝室に現れる。


そして「ゆけっ、世良!」の掛け声と共に杖を振ると、
世良クンの「のしかかり」発動。

ぐええぇぇ。


僕の奥さんはリアルでポケモンが使えるんだよ…。


                     つづく


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同居から数ヶ月、世良の態度に変化が…?


『世良クンと僕』 【30】


2005年夏


どうやら世良クンは最近、遠慮というものを覚えたらしい。

以前は僕らに(正確には彼女に)くっついて回り、
いつも同じ部屋で彼女にべったりしていたものだが…。


最近は僕が休みで家にいると、
なぜか別の部屋でふて寝していたりするのだ。



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おねえちゃんは僕のものだとやっと認めたか、ふっふっふ。
などと思っていると彼女がいぢけている世良クンを
心配して迎えに行き、
結局連れてきて抱っこしているのだけど。

…作戦なのだろうか?



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でもこれを遠慮と言わずしてなんと言おう。
世良クンもすっかり大人になったね。


「そうねえ…。土日くらいは譲ってやるか、
っていうつもりなんじゃない?」


ん…?つまり…週に5日は世良クンのもの??

対比… (世良クン)5:2(僕)


生意気なっ!


                     つづく


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