2人と1匹が、一緒に暮らし始めた頃の物語。
当時書かれたものなので、今とは色々違うところも…。
これまでのお話→【1】【2】【3】【4】【5】【6】【7】【8】【9】【10】【11】
******************************
猫について、まだ知らないことの多いおにーちゃんです。
『世良クンと僕』 【12】
2005年3月14日
ホワイトデーである。
バレンタインにチョコレートケーキを焼いてもらったお礼に、
僕はバラの花束を贈ってみた。
彼女はことのほか喜んでくれたが、
喜んだのは彼女だけではなかった。
豚に真珠という言葉があるが、猫に花束とは言えない。
世良クンも、花が好きなのだ。

そもそもすごくびっくりしたのだが、猫は草を食べるのだ。
牛じゃあるまいし、肉食獣の猫が草を食べるとは知らなかった。
でも草を消化して栄養にできるわけじゃなくて、
自分の毛をなめてしまって胃の中にできる毛玉を吐き出すため、
その刺激のために草を食べるらしい。
世良クンの場合はなんとなくサラダ代わりに
趣味で食べてるように見えるけど。

ともかく我が家の観葉植物を守るため、
「猫草」なるものが玄関に置かれている。
観葉植物を狙う世良クンを玄関に放り出すバトルは
とりあえず置いといて、花束である。
麗しく花瓶に生けられたお花に、世良クンは興味シンシンだ。
鼻を突っ込んで匂いをかいでいる。
今にも食いつきそうだ。
「ダメよ!」「ダメだよ!」二人から同時ツッコミが入る。
世良クンは夢中だ。
まるで急に耳が遠くなったか、
人間語は難しくて僕分かりませ〜んという感じだ。
たしかに猫だから、人間の言葉が理解できなくても
不思議じゃないけど。
いよいよ危うく見えて、僕は腰を浮かして止めに行こうとする。
と、僕が立ち上がった途端、世良クンはさっと花から離れた。
僕は花になんてぜんぜん興味ないですよ、いやだなあ。
なんともしらばっくれた様子だ。
つまり急に耳が遠くなったわけでも、
僕ニホンゴワカリマセ〜ンなわけでもない。
言われてることは重々承知の上で、無邪気を装っている。
とりあえず興味を失ったかのように世良クンは振舞っていた。
さてそろそろ寝ようかという時間、
彼女がしげしげと花を見つめて言った。
「このままここに置いておいても安全かどうか悩んでいます。」
「大丈夫じゃないほうに一票。」
「…二票入りましたので避難させま〜す。」
かくして寝てる間や出かけてる間など、
人の目が届かない時間にはいちいち
麗しい花束は隠され、人がいる時間にまた取り出されることになった。
結論としては、華道をたしなむ人は、猫は飼わないほうがいい。
つづく
↓ 花束をなんとか守ったおにーちゃんにポチ。

←狙ってないですよ、いやだなぁ。世良に1票クリック!
当時書かれたものなので、今とは色々違うところも…。
これまでのお話→【1】【2】【3】【4】【5】【6】【7】【8】【9】【10】【11】
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猫について、まだ知らないことの多いおにーちゃんです。
『世良クンと僕』 【12】
2005年3月14日
ホワイトデーである。
バレンタインにチョコレートケーキを焼いてもらったお礼に、
僕はバラの花束を贈ってみた。
彼女はことのほか喜んでくれたが、
喜んだのは彼女だけではなかった。
豚に真珠という言葉があるが、猫に花束とは言えない。
世良クンも、花が好きなのだ。

そもそもすごくびっくりしたのだが、猫は草を食べるのだ。
牛じゃあるまいし、肉食獣の猫が草を食べるとは知らなかった。
でも草を消化して栄養にできるわけじゃなくて、
自分の毛をなめてしまって胃の中にできる毛玉を吐き出すため、
その刺激のために草を食べるらしい。
世良クンの場合はなんとなくサラダ代わりに
趣味で食べてるように見えるけど。

ともかく我が家の観葉植物を守るため、
「猫草」なるものが玄関に置かれている。
観葉植物を狙う世良クンを玄関に放り出すバトルは
とりあえず置いといて、花束である。
麗しく花瓶に生けられたお花に、世良クンは興味シンシンだ。
鼻を突っ込んで匂いをかいでいる。
今にも食いつきそうだ。
「ダメよ!」「ダメだよ!」二人から同時ツッコミが入る。
世良クンは夢中だ。
まるで急に耳が遠くなったか、
人間語は難しくて僕分かりませ〜んという感じだ。
たしかに猫だから、人間の言葉が理解できなくても
不思議じゃないけど。
いよいよ危うく見えて、僕は腰を浮かして止めに行こうとする。
と、僕が立ち上がった途端、世良クンはさっと花から離れた。
僕は花になんてぜんぜん興味ないですよ、いやだなあ。
なんともしらばっくれた様子だ。
つまり急に耳が遠くなったわけでも、
僕ニホンゴワカリマセ〜ンなわけでもない。
言われてることは重々承知の上で、無邪気を装っている。
とりあえず興味を失ったかのように世良クンは振舞っていた。
さてそろそろ寝ようかという時間、
彼女がしげしげと花を見つめて言った。
「このままここに置いておいても安全かどうか悩んでいます。」
「大丈夫じゃないほうに一票。」
「…二票入りましたので避難させま〜す。」
かくして寝てる間や出かけてる間など、
人の目が届かない時間にはいちいち
麗しい花束は隠され、人がいる時間にまた取り出されることになった。
結論としては、華道をたしなむ人は、猫は飼わないほうがいい。
つづく
↓ 花束をなんとか守ったおにーちゃんにポチ。

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